会方針


会代表・師範 植村邦彦
師範

日本における昔からの武術・武芸は、徳川幕府が事実上消滅し、廃藩置県という近代制度が布かれるまでは、各地各藩に於いてそれぞれの流派が戦国時代からの“芸”や“術”を研き、伝承し続けて “いざ鎌倉” に備え、または隠密やお庭番等の特命を与えられた武士等が密かに身につけて任務遂行に活用し、目的遂行のために相手を殺傷せねばならぬ際の必須武術とされ、各藩内で戦国時代から徳川幕府体制瓦解後の明治時代初頭までそれぞれ独自に磨き上げられて継承されていたものです。それが「藩」という封建制度が廃止となり、明治時代の近代化日本に於ける武士階級の消滅にともない、多くの武術・武芸は衰退し、新しく近代的スポーツとしての剣道・柔道等の武道が学校教育の中で発展を遂げ、現在に至っているものです。

では、武術・武芸という昔からの、いわゆる相手を殺傷するための武技は現代の世に合わなくて消滅したのかと言えば、必ずしもそうではなく、各地で伝承・存続されてきたものや文書に残されたもの、そしてまた種々の武器・武具として保存されたもの等々があり、私の亡父が秘蔵していた某柔術流派皆伝巻ものなども各地の類似の流派が弟子等に与えていた免許皆伝巻ものと同じようなものと認められます。

私は敗戦後の日本では英語の必要性を痛感し、学校では特に英語習熟に努め、その為か外国政府団体調査部門にヘッドハンテングされて入職、海外研修に続き国際会議等で国外に出る仕事が多かったのですが、その間いろいろと時間の都合をみては古武術などの日本伝統武芸を自分の国の伝統文化の一つとして、相手国の人たちに私のアイデンテイテイとして示そうとしたものです。もちろん武術・武芸だけではなく、指圧治法学として学んだ経絡ツボ指圧法もマットの上で、ワシントンやシアトル、ハワイなどで体の大きな外人たちに教え、五十キロにも満たない身としてはヘトヘトになったものです。力に非ず、技なり、という武術・武芸の技は、実戦さながらに稽古することが肝要で、私は仕事を続けながらもその合い間に何とか稽古にと努力を続けたものです。

日本古来の武術・武芸は、相手をなんとしても倒すことであり、これは、相手が体格や筋力など明白に勝るものであろうとも、なんとしてでも倒さねばならぬもので、それも、いま自分が持っているその今の自分の力と体で絶対に相手を倒すという事です。転がしたり抑えたりして “ハイ 一本 勝負あり” の如きスポーツではないのです。倒す、と私は表現しましたが、これは相手を殺傷するとゆうことで、武術・武芸とは、相手必殺の目的技であり、相手をfinish off(オワリにする)か不具者にするかの技なのです。しかしながら実際にはそのような行為は刑法に触れることですから、緊急事態に反射的にその技が出るように稽古を積んでいても、実際にはフルに技をかけ相手を殺傷することは避けねばならないというジレンマが生ずることも事実です。

私は若いときでも五十数キロしかない”スキニーガイ”(やせ男)で、それに四十代になって間もなく胃と十二指腸を切除され、その後又結腸五十数センチを切除されたり小腸バイパス手術等々と難手術を数度も経て生きている身で、筋骨隆々のスポーツ人間には程遠い者ですが、人と争うのに筋骨隆々が絶対条件のものはスポーツであり、武術・武芸は決してスポーツではないのです。だからこそ魅了される何かがあり、近代化されたスポーツの裏側で不死鳥のように存続しているものなのです。私がこの痩身でも、国益を賭けるような仕事を東西の冷戦時代に遂行し続け、定年退職後も今日まで生き続けてこられたのも、日本古来の武術・武芸をなんとか修行し続けてきたからで、又その間にAcupressure Therapeuticsと英語で表記するよりもShiatsuと英語でも呼ばれるようになった健康指圧法のおかげなのです。

私は、誰とでも武術・武芸を稽古する時に、力(ちから)や体格に頼らずに“わざ”で勝負することが何より大事なことを強調しております。筋骨隆々な体でしたら、相撲のようにすればよいです。私たちは、自分の正しい仕事を遂行する中で、己の身を守り、或いは相手の人間を何らかの正しい理由で制圧しなければならない時、私たちはその今持っている力で“わざ”をかけ、相手を制圧して自分の正しい目的を達成しなければならない時があると思います。或いは、貴方が誰かを守らなければ、又は助けなければならない時など、貴方はどうしますか? 拳銃や棍棒、刀、拳や蹴り、柔道や空手などの貴方自身や貴方の愛する人たちへの不法な攻撃に、瞬時に反応する武技を私達と共に稽古し学習してみませんか? 私は又、必殺の手裏剣なども子供の頃から習得しておりまして、今でも10メートルほど離れた所から直径10センチほどの林檎を打ち抜きます。むろん、他の色々な武術、例えば杖術や鎖鎌、槍、薙刀、弓、居合い抜刀術他を一応みな稽古してきました。 拳銃も含む相手の武器に瞬時に命を掛けた動きをするのは楽しいとも言えます。仕事上必要だった45口径スペシャルやウージー軽機関銃、M16ライフル、ガス銃などの扱いなどは日本では味わえないものだったと思いますし、人に話しても理解してくれない世を通り過ぎてきました。

いずれにせよ、私は自分自身の武術・武芸稽古を努力する中で、数十年の間に会得した経絡指圧治方術は、おのれ自身にも自分で施すことが出来、自身を種々の疾病から守り回復する事が出来るし、もちろん周りの人に施して感謝されております。これは、健康指圧法として誰でも稽古して習得できるもので、武術の稽古に来られる方々には誰にでも教えております。そして又、長年にわたる武術のわざ習得のなかで確立した、体を痛めない介護の仕方も、ヘルパー学校等も含む各所で皆様に指導いたして参りました。

いずれにしても、私は報酬を得る目的でこの会をやっているのではありません。退職後のリタイアリーの身で、会はあくまでも私のボランティア的活動の一端です。ご理解していただき御参加下されば幸いです。

会代表・師範 植村邦彦

◆実際の稽古は、稽古動画と写真(随時更新中)が参考になるので、以下をクリックしご覧下さい。
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